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【決勝】高尾紳路─井山裕太

第3回大和証券杯ネット囲碁オープン戦本戦決勝戦
●井山 裕太七段
○高尾 紳路九段
日時 : 2007.12.22
結果 : 252手完、白中押し勝ち



総譜(1〜252)

 決勝は楽しみな顔合わせになりましたね。日本碁界を代表する棋士の一人・高尾秀紳本因坊と、若手ナンバーワンの井山裕太七段、囲碁ファンのみなさんが待ち望む好カードとなりました。
 ふたりとも、一見すると冷静で落ち着いた棋風ですが、じつはすごく力が強いんですよ。はっきりした勝算がなければ決して乱暴はしない。短気を起こすことがないんですね。囲碁は道中の長い勝負ですから、ガマンすることがひじょうに大事。今回の決勝を通じて改めて「ガマン」の大事さを学んだ気がします。タイトルホルダーになる棋士はみな、辛抱強いものです。そして、一度チャンスをつかめば一気に決めてしまうだけの腕力を持っています。
 まずは一局の流れをご鑑賞ください。
 序盤は黒の井山七段が地合でリード。それを高尾本因坊が厚みを利して追いかけます。ヨセの段階で、井山さんに実利にこだわった失着が飛び出してしまい、あせらずじっくりチャンスを待った高尾本因坊の中押し勝ちとなりました。

局面図1
 立ち上がり、黒1からの定石は一昔前にずいぶん打たれたものです。
 黒の井山七段が実利をとり、高尾本因坊は厚みをとるワカレ、お互いの棋風どうりの進行ですね。
 右上のシマリも眼につきますが、黒17は手堅い行きかた。これもまた井山七段の好みでしょう。











局面図2

 右下方面に戦場が移っています。
 黒1から7まで右辺の黒石をくつろげました。続く白8がおもしろい。いや、おもしろいなんて言ってはいけない。おおいに感心させられました。
 わたしからすると、白8ではA、黒B、白C、黒Dと決めて、9と右上へ先行したくなる。左上で黒に実利を取られていますから、白の立場では少しでも先を急ぎたくなってしまいます。続いて黒Eには白F、黒8、白Gとワタって、それほど大したことはありませんから。
 ところが、高尾本因坊は白8と下辺をじっくりと受けました。「黒1と3、白2の三手がないものとすれば、黒7トビに白8の受けは普通の一手でしょう? ならば白8と受けて悪くはなることないと思っていました」と局後に話していました。
 さすがですね。間違いのない手を積み重ねていけば、いつかチャンスがくる、と考えているんです。すぐ先走ってしまうわたしは、本因坊の落ち着きを学ばなければいけません。


局面図3
 左上で捨石を放ち、高尾本因坊が鉄壁の厚みを築きました。白1三々と踏み込んで、地合のバランスを回復しました。黒8でAアテには当然白Bと弾きます。白のコウ材は左上に無数にありますから、このコウ争いは黒がやれません。
 白15から23とツイで、次に白Cのエグリと白25の躍り出しが見合いとなっています。このあたりのヨリツキはさすがに高尾本因坊は力強い。
 対して、井山七段も負けてはいません。黒26から下辺の二子を捨てたのが好判断でした。捨てた、とはいっても本当のところは「捨てたふり」でした。



局面図4

 井山七段はじつによく手が見える。黒1から3の動き出しが鋭かった。
 黒9まで下辺を担ぎ出しましたが、白10とマゲられて難しくしたのではないか、とわたしは思っていたのですよ。黒16と下辺の連絡を確かめれば、白Aと強襲を食って、中央の黒のシノギ具合はどうなっているのだろう、と。
 ところが、井山七段は平然と黒11ツギ。これが読みの入った手でした。白12のワリコミが形の急所で、一見黒が切られているようですが、黒15から17で連絡しているのですね。白Bとは切れないところだったんです。
 先手に下辺黒を助け出し、黒23に回っては井山七段がはっきりリードしました。


 

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