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【1回戦】中小野田智己─金秀俊

第3回大和証券杯ネット囲碁オープン戦本戦1回戦
●金  秀俊八段
○中小野田智己九段
日時 : 2007.09.23
結果 : 245手完、黒中押し勝ち



総譜(1〜245)

 対照的な棋風の二人が激突しました。中小野田九段は手厚い本格派、パワーあふれる打ち手です。金秀俊八段は、地にカラくて戦いに強い。師匠の趙治勲十段に似たところのある棋風です。
 この碁でも序盤からお互いの個性が良く発揮される展開となりました。上辺で模様を広げる白番・中小野田九段に対し金八段は実利で対抗しています。
 さあ、黒45と飛び込んできた場面が要注目です。


局面図1

 つまり黒1の局面です。白2ボウシは中小野田九段らしい力の手ですが、これがどうもやりすぎだったのではないか。黒15と無事に頭を出してしまえば、黒の実利がモノをいいそう。それに上辺を黒A、白B、黒Cと割る手が残ったこともマイナス要素です。 なので、白2では…。










変化図1

 白1と受けて悪くなかった。上辺白の地模様はなかなかの広さですから、これからの碁かと思われます。とはいえ、早碁では手がついつい厳しい方、激しい方へ行ってしまうものです。













局面図2

 黒リードのまま大ヨセに至りました。
 中小野田九段は白1切りから黒の薄みを衝いた。力のこもった追及ですが、空振り気味に終わります。金七段はうまいものですね、黒4から8と白二子を取り込んでスルスル生きた。黒22まで上辺が黒地になってしまった分、白が損をしています。









変化図2
 前図、白1では本図の白1からじっくりヨセていれば、まだまだ勝負の圏内でした。
 ただし、この進行でも白が良いとは言えませんから、中小野田九段は思い切って局面打開を図ったのでしょう。

 
   
 

 

 

 

 

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