【1回戦】山城宏─林漢傑 |
第3回大和証券杯ネット囲碁オープン戦本戦1回戦
●林 漢傑六段
○山城 宏九段
日時 : 2007.09.16
結果 : 271手完、黒2目半勝ち
総譜(1〜271)
中部総本部を代表するベテラン・山城宏九段と、林海峰名誉天元門下の俊英・林漢傑六段の対戦だけあり、見ごたえのある一局でした。両者とも落ち着いたタイプ、読みもしっかりしていますから、時間のない碁とはいえあまりミスが見当たらない。
私がざっと調べた限りでは、どうやら勝敗を分けたのは序盤の折衝でした。
局面図1
すなわち、上辺での攻防です。白1とハネた瞬間が本局の勝負どころとなりました。
黒2切りが林六段の巧打。白3コウ取りに、黒4のオサエをコウ材に使います。白7とツガせてから黒10カカエに回って、林六段は機敏に上辺で儲けました。平凡に黒2で4、白5、黒8、白9、黒Aとなるよりもずっとがんばっています。
黒14ヒラキまで、黒が一本取った印象ですね。
変化図1
前図の白3は、白1カカエが気合というもの。「亀の甲」のような格好になれば、白に不満は考えられません。黒2には白3と一子を制して腹は立たない。これなら一局の碁でしょう。
局面図2
中盤戦から、ファンの皆さんに参考にして欲しい場面を取り上げます。
白1、3は手筋、A割り込みとBの切りを見合いにした意味。さあ、黒は困った。白A割り込みを食っては左辺から中央が巨大な模様になってしまう。かといって、白Bと切られるのも痛い。どうしたものか……。
さすがに林六段はおちついたものですね。黒4にノビて十分、と判断しました。
局面図3
前図の続きです。白1と切られれば当然黒六子は取られ。ですが攻め合いの関係で黒4の切りが利くのが大きい。さきほどのノビ切りとあいまって、中央は黒がずいぶん厚くなりました。右辺と中央のフリカワリはいい勝負。林六段、冷静に事態を収拾しました。
白13までと手を戻させて、黒14動き出しから厚みを活用。黒が序盤から変わらずにリードを保っています。
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