【3回戦】林漢傑─山田規三生 |
第3回大和証券杯ネット囲碁オープン戦本戦3回戦
●山田規三生九段
○林 漢傑六段
日時 : 2007.11.16
結果 : 204手完、白中押し勝ち
総譜(1〜204)
林漢傑六段は本大会で好調ですね。トーナメントでは1回戦から山城宏九段、王立誠九段と骨っぽいところを下しています。読みがしっかりしており、競り合いに強い印象です。
3回戦は山田規三生九段との対戦。序盤から林六段がリードを奪い、山田九段に力負けせず、押し切りました。
局面図1
わたしの見たところ、布石は白が悪くないようです。白は右上と左下で白△と実利を得ており、黒がいくらか甘くなっているように思います。
そこで黒1が山田九段らしい強手でした。穏やかな手法もあったのですが、黒にいくらか遅れているという意識があったのでしょう。
ただし、黒7以下が良かったかどうか。黒17まで生かされるようではつらかった。
変化図1
局面図1の黒1では、図の黒1ハサミが穏やかでした。白2には黒3、5から厚みを築く。黒11まで、上辺の黒模様を頼りにボチボチ打ち進めていた方が普通でしょう。
変化図2
また、局面図1の黒7では、黒△とツケた意志を継承して図の黒1以下と食いついてみたかった。わたしならこう行きたくなりますね。実戦のaはたしかにサバキの手筋ではあるのですが、「生かしてください」と頭を下げている印象があるんです。黒△とツケたいきおいからすれば、黒がおもしろくないように感じられます。
局面図2
山田九段が力を出して局面は混戦模様、白のリードがはっきりしなくなっています。
白1ノゾキがおもしろい。黒Aのシチョウを防ぎつつ、3の出を見ています。黒2ツギはやむをえませんが、白3から5と切られて右下黒がどうにも薄い。
白15、17と連打して、はっきりリードを奪いました。
黒2で3ツギは白2、黒B、白C、黒D、白A、黒E、白Fまで上辺黒が取られてしまいます。
変化図3
前図の白15に対し、黒1と受けるようでは、白4から下辺黒を本気で取りに来られてしまいます。白14までとなっては、もはや手も足も出ません。
局面図3
黒としては上辺白の取りかけに望みを託しかありません。しかし、黒1アテからでは望み薄。白2が利いて、黒3に白4ツギで生きられては白の勝ちが定まりました。
黒1では、2と一回出てみたかった。それならまだ難しい戦いが続いていたはずです。
|
|
|
|
|