【1回戦】仲邑信也─松本武久 |
第3回大和証券杯ネット囲碁オープン戦本戦1回戦
●仲邑 信也八段
○松本 武久六段
日時 : 2007.09.22
結果 : 275手完、黒4目半勝ち
総譜(1〜275)
関西総本部の実力派・仲邑八段と若手の松本六段の対戦です。
どちらも手厚く戦いに強いタイプ。この碁では序盤から先番の仲邑八段が走って、地合でリードしました。松本六段が厚みを活かすべく、どこで力を出してくるか、と思っていたところ……。
局面図1
黒1と消しに来た瞬間の、白2が思い切った強手でした。白4から6も当然とはいえ好手。実戦にも出てくるように、のちに白Aの動きを見ているんですね。安易に白Bとアテてしまうのは大悪手ですよ。さらに白10コスミから左辺黒を狙って形勢挽回を図ります。
わたしのイメージでは、どちらかというと仲邑八段の方が攻めっ気の強い碁。ですが、このあたりは松本六段が押し気味ですね。
局面図2
前図から数手進んだ場面、白1が結果的に敗着に近いミスとなってしまいました。このトビは左上隅の黒に対してきつい(次に白14とトビ込めば左上黒は死に)のですが、黒2ノゾキから4とカケる反撃がありました。松本六段、どうもこれをうっかりしていたのでしょうね。左辺黒を攻めるどころか逆に白石を取りこまれて大きく治まられてはたまらない。
黒Aの出がありますので、白11からの生きはやむをえず、左上黒14に回っては勝負あり。以降、松本六段が紛れを求めたものの、仲邑八段は冷静に受けきりました。
変化図1
白1に、黒2以下が白の注文でしょう。松本六段の期待はこの図にあったはず。白7から9と連絡、白11と大きく攻める体勢になれば黒のシノギは苦しく逆転模様でした。
変化図2
結局のところ、白1とツケるくらいだったかもしれません。黒2の出にはおとなしく隅を生き、地合の勝負に持ち込みます。これで白が良いとはいえませんが、実戦よりもだいぶ息の長い碁でした。
もし、白1に黒Aなら白B、黒7、白Cと攻めて、これは変化図1と大同小異。白が打てるでしょう。
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