【予選】小松英樹─久保秀夫 |
第3回大和証券杯ネット囲碁オープン戦予選
●小松 英樹九段
○久保 秀夫六段
日時 : 2007.08.21
結果 : 169手完、黒中押し勝ち
総譜(1〜169)
小松九段はリーグ常連の実力派。この碁では力の強いところを見せてくれました。
久保六段も過去に新人王戦準優勝した、地力のある選手です。積極的な実利作戦を展開したのですが……。譜を見ていただければわかるように、大石を取られてしまいました。
プロはある意味、石が死ぬことに鈍感なんです。それよりも目前の実利が大事。生活がかかっているものですから、どうしても実利に敏感になってしまいます。それに長い経験で、大石は簡単には死なない、とおもっているものですからねえ。
局面図
ここまではいい勝負、白番の久保六段は地合で先行して中央であぐらをかいてしまおう、としています。
さあ、中央のシノギなのですが、わたしは白1に違和感をおぼえました。上辺の地をいくらかでも減らしたい。その気持ちはわかるのですが、この場合は自身の安定が最優先でしょう。白2トビが形で、もう黒から急に攻められることもない。これでいい勝負だったのです。
実戦は白が急に悪くなる。黒2が「いかにも」な急所、大石の横腹にボディブローが突き刺さりました。黒6と追いながら、中央右方に地が見込めます。さらに、中央の大石が治まらないかぎり、右辺に白は手を出しづらい。つまり、右辺の黒地がまとまりやすくなっています。久保六段、少し欲張ったばかりにひどい目にあいました。
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