【1回戦】河野臨─25世本因坊治勲 |
第1回大和証券杯ネット囲碁グランドチャンピオン戦1回戦
●25世本因坊治勲
○河野 臨天元
日時 : 2008.3.29
結果 : 290手完、白1目半勝ち
総譜(1〜290)
ポスト四天王の一番手・河野臨天元とベテラン勢としてひとり気を吐く二十五世本因坊治勲の対戦。1回戦ではもったいない重量級の顔合わせだ。
二十五世本因坊の果敢な仕掛けと、河野天元の冷静な対応。見ごたえ十分の一局となった。
局面図1
先番の趙先生は、序盤から仕掛けます。黒1打ち込みから、3、5の出切りとは積極的ですね。場合によってはこの黒を捨石にして右上の模様を固める作戦です。
白20アテに対し、黒21カケはこんな相場。黒がツイだ場合はどうなるか。それは変化図1を見てもらいましょう。
白24と黒三子を抜く前に、22ツケは機敏な様子見でした。隅への手段を残して白26ツメに回り、白に不満のない序盤戦です。
変化図1
前図黒21で本図の黒1ツギも考えられないことはありません。ただ、白2から4と追われて、右辺の一団が重いと趙先生は見たのでしょう。下辺の白も攻めに役立ってきそうで、たしかに黒がおもしろくありません。
局面図2
先の局面図から数十手後。先に味をつけておいた右上隅で白が動き出し、小競り合いが起きています。
非勢の黒は1のツケから取りかけに行きました。ただ、周囲の黒もけっして厚いわけではない。白10と切られ、上辺黒と隅の白との攻め合いです。
最強に行けばコウになるところですが(変化図2参照)、白16は攻め合いを避けた妥協の手。見てのとおり、黒19まで隅の白は取られてしまいました。
では、白の失敗かというと、そうともいえません。形が決まり局面がわかりやすくなった意味があるんです。白20と今度は右下隅に手を回し、変わらず白はリードを保っています。
変化図2
前図の白16で最強の手段を選ぶのであれば、白1ハネ出しです。対して黒2ツギはこの一手。ここで黒4は白2とワリ込まれて攻め合い負けです。
白3ハネから粘って、上辺と右上の攻め合いはコウとなります。このコウ争いは白が戦えるでしょう。
本図の進行も有力ではあるのですが、河野天元はそこまでせずとも形勢にゆとりありと見ていました。実戦は難しい変化を自重し、簡明な手段を選んでいます。
局面図3
終盤、白1は小さくないミスでした。ここでは白8のコスミで素朴にヨセているべき。
おそらく河野天元は、黒2、4から、6のアテを見落としていたのでしょう。黒8と出られて、先にツケた白1の一子を飲み込まれてはたまらない。普通なら逆転してもおかしくない損でした。ただ、白にとっては幸いなことに、それまでのリードが大きく勝敗には影響しませんでした。
最後にちょっともたついたものの、序盤のリードを保って勝ちきった河野天元の好局といえるでしょう。
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