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【1回戦】小松英樹─洪マルグンセムアマ

第1回大和証券杯ネット囲碁グランドチャンピオン戦1回戦
●洪マルグンセムアマ
○小松 英樹九段
日時 : 2008.3.22
結果 : 299手以下略、白8目半勝ち



総譜(1〜299)

 大和アマ覇王クラスで優勝した洪マルグンセムさんが、小松英樹九段に胸を借りた。
 洪さんは、小松九段の主宰する研究会に参加していたことがある。対局前には「小松先生にはたいへんお世話になっていますから、ちょっと打ちにくい気持ちもあります」ともらしていたもの。「ですが、ネット碁では直接盤を挟んで顔を合わせなくてもいい。もう、それだけが頼みですね。がんばって打ちます」と冗談まじりの決意表明だった。
 洪さんは中・終盤では独特の力感あふれる石運びをみせてくれた。小松九段と五分に突っ張りあい、おおいに冷や汗をかかせたもの。残念な結果にはなったものの、アマ碁界ナンバーワンの技量を存分に発揮してくれた。

局面図1
 左上、白1切りから13まではよくできる形ですね。左上で数子を捨石に、右下へのシチョウアタリが小松九段の狙い。これは高段の方ならご存知でしょう。
 このシチョウアタリ作戦は、右下の黒が目外しであることを考慮に入れたもの。つまり、白15のシチョウアタリから17の連打が小松九段の読み筋でした。白19までの格好は、白の技ありと判定します。
 もし、黒▲が星(19の位置)だったとします。左上が実戦どおりの進行をたどり、やはり右下に白15のシチョウアタリからAと連打する布石はよくあります。実戦はその進行よりも、白がしっかりしているでしょう? それが小松九段の主張だったんです。
 黒28といきなりの急所はおもしろい。この一撃は白を無理やり戦いに引きずり込もうという行きかたですね。洪さんに「布石で失敗した」という意識があったのかもしれません。
 ここから碁は戦いに次ぐ戦いへと進展していきます。

局面図2

 黒1ノゾキに対し、白2のブツカリは洪さんの迫力にちょっと押されたかもしれません。黒5・7としつこく食いつかれ、黒に形勢挽回のチャンスを与えてしまいました。
 黒15から右辺のイジメに回っては、洪さんがかなり盛り返しています。右辺白を小さく生かし、黒Aから中央への攻めをぶり返したあたりでは、予断を許さない形勢でしょう。
 そこで、白2では――







変化図1
 白1と反発したかった。黒4まではいきおいこうなりそうなところ。続いて、白5カケが右辺黒を攻める好点です。黒6なら白7の追及が厳しい。白13までわかりやすくリードを保っていました。














局面図3

 白1の動き出しは、小松九段必死のがんばり。中央白もまだ治まっていませんが、この白一子を飲み込まれては勝負にならないと見たのでしょう。ですが、黒2から10まで上下を割かれては、いやなカラミ攻めを食う羽目に。
 巧みな攻撃を見せていた洪さんですが、黒16ノゾキはどうだったか。局面のポイントを外していたように思います。
 白17が眼形の急所。白21まで粘りある形です。中央白にシノギが見えて、再び形勢は白がリードしました。




変化図2
 敵の急所はわが急所、局面図3の黒16では本図の黒1が厳しかった。もし黒7までなら、中央の一団にはっきりしたシノギが見えません。これなら白もかなりこわかったはずです。
 また、小松九段ご本人の感想では、黒1でだまってaトビ(中央への攻め、左下隅へのヨリツキをじっとニラんでいます)でも、「自信は持てない。形勢がいいとは思っていなかった」といいます。局面図、黒16の瞬間が洪さんにとって最大のチャンスでした。

 
   
一棋客     naruhodo
 

 

 

 

 

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