第3ラウンド 井山−レドモンド戦 |
第2回大和証券杯ネット囲碁オープンDリーグ
○井山 裕太七段
●レドモンド九段
日時 : 2007. 02. 10
結果 : 170手完、白中押し勝ち
本戦リーグが終了し、決勝トーナメント進出者が決まりました。強豪ぞろいのリーグ戦で、3連勝を決めたのはCリーグ依田紀基九段とDリーグ井山裕太七段。内容も結果も、両者の充実には目をみはるものがあります。
依田さんはすでに取り上げましたから、今回は井山さんの第3ラウンド・対レドモンド九段戦を紹介しましょう。井山さんはバランスよくソツなく打ち回し、腕っぷしの強いレドモンドさんに力を出させませんでした。見事な完封勝利です。
局面図1
立ち上がり早々、井山さんがポイントをあげます。
レドモンドさんが黒1とハサんで、白2子を攻める態勢。とたん、井山さんの白2がおそらく用意の手。ここで白3サガリは黒Aと止められる恐れがあって重い印象。白2がシャレたサバキの筋なんです。
対して、黒の応手がけっこう悩ましい。黒Bカケツギでは白7、黒Cを利かされるのが不愉快。続いて白Dと頭を出されていても、黒がおもしろくありません。結局、実戦のように黒3から7と手堅く受けるくらいのものです。
それならば、白8まで白に不満のないワカレでしょう。左辺と下辺の両方をがんばっています。
局面図2
白の技ありとはいえ、盤面はまだまだ広い。形勢はこれからといったところなんですが……。黒が苦しくしてしまった要因は、図中の黒7だったかもしれません。もうここは黒24、白A、黒B、白Cと決めてしまう方が良かった。それから黒7に戻っていれば。違った展開の碁になっていたでしょう。
というのも、実戦はのちに白24オシが良くなったからなんです。黒25から29まではこうなる相場ですが、続く白30カタツキがいかにも絶好点。下辺白を補強しつつ右辺の黒模様を消して、まさに一石二鳥。こういう気持ちの良い手を打てれば形勢も良いとしたもの。逆に、白に気持ちの良い手を与えてしまった黒の構想が、やや疑問だったということです。
総譜(1〜170)
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