第1ラウンド 依田−黄戦

第2回大和証券杯ネット囲碁オープンCリーグ
●依田紀基九段
○黄 翊祖七段
日時 : 2007. 01. 20
結果 : 187手完、黒中押し勝ち

 第二回大和証券杯が始まりました。
 ネット碁は観戦専門のわたくしですが、いやあ、おもしろい。いつもより着手が過激(これは観戦しているファンを意識しているところもあるかもしれませんね)。展開が派手で見ていて楽しいですよ。
 それに、研究中の手段を実験している人が多くて、わたしとしても勉強になります。専門家の最新流行をキャッチしたいファンのみなさんには、大和証券杯の観戦をオススメしたいですね。
 さて、リーグ1回戦からは、好取組・依田紀基九段―黄翊祖七段戦を紹介しましょう。


局面図1
 この場面まで、国際戦で流行している布石の型となりました。
 局面図、白1に対し黒2の上ツケが依田さんの工夫(黒Aの受けはもうひとつかもしれません。それについては後述)。これはなかなか良さそうですね。黒18までの出来上がり図は、上辺黒の形が充実していますし右辺の幅も良い。黒が両方をがんばっています。
 白19と踏み込まなければしょうがありませんが、こういう手を選ばなければいけないこと自体、黒の注文にハマっているわけです。ここから依田さんが主導権を握ったように思いました。




変化図1
 本譜の黒25で、黒1ケイマも穏やかな受け。ですが、白2から6の切り違いがサバキの筋となります。黒7と引けば、白8から隅の実利を食われてしまう。右辺の黒模様はいくらか凝っている印象もあり、韓国では白が打てると見られています。黒7で9アテなら、白7、黒10、白11でサバきます。
 依田さんはこういう展開を嫌って、局面図1の黒1と工夫したのでしょう。








局面図2
 局面図1から数手進みました。ここで依田さんは、右辺と右下白を絡めるうまい手を用意していました。
 黒1が厳しい。ちょっと気づきにくいアテですが、このタイミングで様子を聞くのがうまいんです。黒1で3、白4を決めてからの黒1は、白16と抜かれてしまう。続いて黒2アテには白Aとトバれ、黒の攻めが空振りに終わってしまいます。
 実戦は白2ツギとがんばったので、のちの黒15からのシボリが気持ちよい。黒19以下、隅の白をイジめて黒が優勢でしょう。以下、黒のペースで碁は進み、依田さんの快勝となりました。


総譜(1〜187)

 
   
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のびたの父     この棋譜まちがってますね
 

 

 

 

 

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