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【1回戦1】謝依旻─洪

第2回大和証券杯ネット囲碁グランドチャンピオン戦1回戦
●洪マルグンセムアマ
○謝 依旻女流本因坊
日時 : 2009.1.10
結果 : 308手完、白半目勝ち

第2回グランドチャンピオン戦の開幕カードは、洪マルグンセム・アマ覇王―謝依旻女流本因坊戦。
洪アマ覇王の実力は「プロ棋士と変わらない」とプロアマ名人戦で対局した張栩名人も認めるところ。トップアマが女流第一人者を相手にどんな碁をみせてくれるか、楽しみな一戦となった。

加藤解説


総譜(1〜297・以下略)


先番の洪アマ覇王が奔放な模様作戦を展開して、序盤から局面をリードしたようです。まったく見事の一言、ぼくが感心した一連を以下に示します。

局面図1
黒1の着点がおもしろい。白2には、黒3から5が洪アマ覇王の用意していた応手でした。出切りを防いで白8、10ならいちおう右辺は止まっている格好です。黒3でA、白5、黒Bは白Cとオサれていても黒が今ひとつ。まだスソ空きの下辺を囲いに行くのは気が進みません。
そして黒15がまた好手でした。トビこまれて見ると、上辺の白一団は意外に眼がはっきりしないのですね。白を追い出しながら模様をまとめる構想です。







変化図1
前図の黒15で、本図の黒1から3と広げていても黒十分。この模様はかなり雄大で、やはり黒が悪くない。ただ、実戦のほうが厳しくウムを言わさぬ迫力がありますね。
模様で行くにしても攻めで行くにしても、局面図1の時点では黒が優勢なんです。ふりかえって、白の右上三々入りが早すぎたのかもしれません。
とはいえ、謝女流本因坊を責めるつもりはありません。こんなにうまく模様作戦を打ち進められる人はほとんどいないですよ。洪アマ覇王のすばらしい構想力に感心させられました。




局面図2
白1ツケコシからのシノギは見事でした。白3、5と黒の包囲網にフシをつけ、白13とトビ出すことができては、もう急な攻めはありません。ただ逃げ惑うのではなく、相手の弱点を衝いてシノギ形に持っていく。みなさんにも参考になる進行ではないでしょうか。
形勢はまだまだ黒良しですが、ともかく延長戦に持ち込むことができました。









局面図3
黒1オサエが手どまりの大場。洪アマ覇王のリードははっきりしています。
そこで白6ツケが勝負手。謝女流本因坊らしい思い切った踏み込みでした。対して黒7受けは穏やか。白14まで割っては、いっぺんに細かい。わずかに白が良くなったように思います。











変化図2
黒1ハネ出しからの反発も考えられます。白aあたりの飛び出しをにらみながら下辺で暴れることになる。黒はこれでもやれたでしょうが、洪アマ覇王はもっと手堅い行き方を選んでしまいました。














変化図3
局面図、黒13で本図の黒1と受けておくのだった、と洪アマ覇王の感想がありました。そう、これでも黒が残っていそうですね。序盤から見事な打ち回しを見せてくれていただけに、洪アマ覇王の残念譜といえそうです。

 
   
 

 

 

 

 

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