決勝トーナメント決勝高尾−張栩

第1回大和証券杯ネット囲碁オープン
▼決勝トーナメント決勝
●高尾紳路本因坊
○張  栩名人
日時 : 2006. 10. 28
結果 : 183手完、黒中押し勝ち

 決勝戦には当代を代表する打ち手・高尾紳路名人と張栩王座が勝ちあがってきました。記念すべき第一回の決勝にふさわしい組み合わせです。
 くしくも名人戦と同カード、結果は高尾さんがこの決勝も七番勝負も勝ちきりました。なぜか張さんは高尾さんに対してはうまく行きませんね。棋風的な相性があるのでしょうか。しだいに手厚さを増している張さんの碁ですが、高尾さんの碁の考え方を取り入れて、これからさらに変化するかもしれません。
 良いライバルとなっているこの二人、今後も良い棋譜を残してくれるはずですよ。
 さて、決定局となったこの第2局、出だしが名人戦第3局とそっくりになりました。右下のコウでポイントをあげ、中央黒を攻める展開となっては、白がおもしろいはずでしたが……。


局面図1

 白1からの攻めは、ネット碁のいきおいでしょう。しかし、この場合は問題でした。白1ではA、黒Bから白Cと下辺を受けていれば穏やかな進行。これで白が悪くなかったでしょうね。
 黒6が痛い。白7では、薄い形でも10まで進めるべきだったかもしれません。黒10にツケられては、下辺白が苦しいんです。黒16でDカケツギで頑張られていたら、白も弱ったでしょうね。黒16と黒E、白F、黒Gの目取りが見合いとなります。
 実戦は白21まで下辺をワタることができて、白が持ち直しています。長期戦になりそうでしたが。



局面図2

下辺で一本とって、黒優勢の局面。上辺は手を抜いて、黒1と左辺で稼いで地合の差を広げます。もっとも、こういう行き方は高尾さんらしくない。しっかり黒Aと一手かけていたって、優勢でしょうからね。
 白2からやわらかく迫りましたが、ここは白Bがよりきつい攻めでしょう。対して黒Aには白Cトビで右辺白の厚さが違います。
 黒7がこの一手、眼形の急所です。ここに打てればもう死にはない。黒からはBやD、Eブツカリと眼作りの手段がいろいろ見える。白8ならば今度は黒9から13とこちらに眼形ができますからね。



局面図3

 上辺を荒らして、黒勝勢。ですが、最後の見せ場を張王座は作りました。
 白1、3から5のツケが手筋。左辺のさまざまな利きを見ています。たとえば、黒6で15なら白7、黒9、白14、黒A、白11と左辺を割られてしまいます。そこで、黒6ツギは白に調子を与えない意味でした。
 黒8とカカえて左辺では儲けたのですが、ここは19ハネだったでしょうね。白11(絶妙)、13と石を持ってきて、白21まで左上隅の黒を取り切りました。普通なら逆転のはずですがそれでも白の地合が足りないのですから、張王座の投了もやむをえませんでした。

総譜(1〜183)



 
   
 

 

 

 

 

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